切削加工の中で、工具が回転してワークを加工するものをミリング(ミーリング)加工と呼びます。
実はミリング加工はフライス加工という呼び方もある加工方法です。
この記事では、主要な切削加工であるフライス加工とミリング加工の違いを紹介します。
フライス加工とミリング加工の違いは?-呼び方が2つある回転工具での加工
切削工具を取り付ける機械には、旋削用の旋盤、フライス加工用のマシニングセンタ、旋削もフライス加工も可能な複合加工機があります。
マシニングセンタを利用して、工具を回転させ、回転した工具でワークを加工するのがフライス・ミリング加工です。
回転工具での加工には、ミリング(ミーリング)とフライスという2つの呼び方がありますが、ミリングとフライスの違いは、語源の違い。
語源がミリングは英語、フライスはドイツ語由来という違いであり、加工方法は同じものを指します。
ミリングは英語
ミリングは英語由来の単語で、Millingと綴ります。
正面フライス、肩削りフライスなどをカタカナで呼ぶときに使用されることが多い言葉で、エンドミル、フェイスミル、ショルダーミリングなどの言葉で馴染み深い単語です。
フライスはドイツ語
フライスはドイツ語のFräseという単語が語源だと言われています。
フライス盤という言葉でお馴染みのフライス。
正面フライス、側フライス、溝フライスといった組み合わせで使用されることが多い表現です。
ミリングとフライスの単語紹介
- エンドミル(Endmill, End milling cutter)
- 側面フライス。外周および端面に切刃を持ったフライス
- フェイスミル(Facemill, Face milling cutter)
- 正面フライス。工具の回転中心軸に垂直な面の切削
- 平フライス
- 外周に切刃を持ったフライスであり、平面を切削
- 側フライス(Side milling cutter)
- 円盤の様な形のフライス。外周と両側面に切刃を持ち溝やスリ割を加工
- 溝フライス(Slotting cutter)
- 溝の加工に用いられるフライス。外周に切刃
- 角フライス
- 横側から切削、90度以下の角ができるような切削跡。
- ギヤミリング
- 歯車の歯を作成するためのフライス。
- 総形フライス
- 特殊な形状の切刃を予め成形したフライス
- スレッドミル(Threadmill)
- ネジ切りに用いられるフライス
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終わりに
この記事では、「フライス加工」と「ミリング加工」の違いをご紹介しました。
フライスとミリングはどちらもよく耳にする単語ですが、同じものを指しており、違いは語源がドイツ語か英語かという点。
どちらの単語が出てきても良いように、回転工具で加工する方法だというところを頭に置いておくのがおすすめです。