キルケズルブログ

切削についてのブログです。

突っ切りと鋸切断の違いとは-製品切断か素材切断かが異なる

切削加工の中で切削後のワークが2つに離れた形となる加工を切断加工と呼びます。

この記事では、切断加工の中の突っ切りと丸鋸切断についてその違いをご紹介します。

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突っ切りと丸鋸切断の違いとは-製品切断か素材切断かが異なる

切削加工の中で、ものを2つに分ける加工を切断加工と呼びます。

切断加工の方法としては、長尺刃物やスリッターで行う剪断や断ち切りがあり、特に金属加工では旋盤で行う突っ切り加工と切断機を使用する丸鋸切断や帯鋸切断がよく使われます。

 

突っ切りとは

完成したワークに溝を入れ、最終的に切削により切断する作業を突っ切りと呼びます。

別名切り落としと呼びます。

加工には突っ切りバイトまたは切り落としカッター等を使用します。

突っ切りは溝入れと同じような工具を使用しますが、溝入れを行った後、ワークの中心部まで溝を深くしていき最終的に切断に至ります。

 

鋸切断とは

鋸での切断は、主に丸棒やパイプなど、素材を切りたいときに行う加工方法です。

丸鋸や帯鋸を使う切断で、鋸で木を切るようなイメージで金属を切っていきます。

荒加工の分野となるため、工具の損傷リスクが高い代わりに精度の高い加工は求められません。

突っ切りと比べると力技のような加工となります。

 

突っ切りと鋸切断の違い

突っ切りは、製品に近いワークを切断するため、仕上げ工程に近い川下の加工工程となります。

丸鋸は鍛造などに使う丸棒を輪切りにしてく加工やオイル管などの大きなパイプ切断、小径のパイプ切断などに使用します。

丸鋸や帯鋸でも切断をするのですが、丸鋸や帯鋸は素材(丸棒やパイプ)を次の加工の準備のために切断するのに使用し、突っ切りでは加工したワークの長さを決めるために切断するというイメージです。

工程順で言うと、丸鋸や帯鋸の加工は川上の加工、そこで切断された丸棒を成形して行き、完成品に近くなったときに切断するのが突っ切りで川下の加工となります。

 

おすすめな切削加工の本

鋼材の特性や鋼材ごとの切削方法をより深く学びたいと思ったときには、『元素から見た鉄鋼材料と切削の基礎知識』という本がおすすめ。

鋼材の特徴を詳しく解説しながら、その特性に適した加工方法を解説している本で、私もこの本を使って勉強しました。

切削について興味があるという場合には是非こちらの本を読んでみてください。

 

元素から見た鉄鋼材料と切削の基礎知識

元素から見た鉄鋼材料と切削の基礎知識

  • 作者:横山 明宜
  • 発売日: 2012/10/29
  • メディア: 単行本
 

 

終わりに

この記事では、金属切削加工の中の切断加工について、突っ切りと鋸切断の違いをご紹介しました。

ワークを旋盤で切断するのが突っ切り加工、鋸切断機で加工するのが鋸切断です。

金属加工では切削工程は特に重要な工程ですので、工具は良いものを選定するのが重要。また、問題が発生した時には工具メーカーに相談するのがおすすめです。

 

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